コーヒー豆が原料?心地よくサステナブルなボディスクラブ《HUG BROWNE》

 

プライベートでも仕事でも、身近にコーヒーがある生活を送ってきたというHUG BROWNE代表・窪田 亜由美(くぼた あゆみ)さん。

バリスタ選りすぐりのコーヒー豆も、エスプレッソを抽出した後はただのごみになってしまう…「これはもったいない!」と感じたことから、エネルギー溢れる窪田さんの取り組みが始まります。

そして沢山の壁を越えて生まれたボディケアスクラブ。完成に至るまでのストーリーと、背景にある環境問題について、窪田さんの思いを伺いました。

ー「エスプレッソの出がらし」がボディスクラブに?製品化の過程で苦労された点は?

難しかったことは2つあります。

ひとつは、回収したコーヒー豆の出がらしを原料として工場へ運ぶ過程。もうひとつは、持ち込んだ材料をスクラブに加工して製品化してくれる工場を見つけることにとても苦労しました。

エスプレッソは高温高圧力で抽出するコーヒーですが、出がらしは水分を含んでいるのでとてもカビやすいんです。

コーヒーの出がらしでサステナブルな取り組みをしているコーヒーショップは増えていますが、「水分が多い=腐りやすい」という特性を生かして、肥料、飼料として再利用されることが多いのが現状です。

でも、化粧品にするには、ピックアップした出がらしを清潔なまま乾燥させなければならない。これを実現するまでには、試行錯誤の連続でした。 

 

ーもともと、化粧品を作る工場や業界などのつながりがあったのでしょうか?

全然ありませんでした。化粧品業界にいたわけでもないですし、ツテも全くないところからのスタートで。お願いできそうな工場をネットで調べて、とにかく電話して…の繰り返しです。

私は使う原料すべてにこだわりたかったんですが、「持ち込みの原料は不可、工場側で調達したものでしか作れませんよ」というケースも多かったり。

やっと工場を見つけて製品化してもらえても、クオリティ面で納得いかない…ということもありました。

 

ー紆余曲折ありながらも心折れずに工場にあたっていったのにはどんな想いが?

コーヒースクラブ自体は、実はご家庭でも簡単に作れるんです。コーヒーの出がらし、お砂糖、オリーブオイルを混ぜるだけ。でも、化粧品用のオイルでしっかり作ったものに比べると、べたつきが強くとても使いづらいんですよ。

せっかく製品として作るのだから、絶対に家ではできないクオリティにしなくては、という思いは強くありました。いくつもの工場にかけあって、ようやく理想的な仕上がりを叶えてくださる工場さんに出会えたところです。 

 

ー確かに「使い心地がよい」ことは、ユーザーにとって一番大切な部分ですよね

「環境にいいのはわかっているけど、この使用感はちょっと好みではない…」っていう製品って、残念ながらありますよね。例えば手にやさしい洗剤だけど、泡立たない、汚れが落ちない、とか。

サステナブルで、環境をいたわるアイテムをせっかく選んだなら、その行動をとった自分自身もハッピーで心地よくありたいですよね。

逆に、仕上がりに納得せずに使うとか、環境にいいからとちょっと我慢して使う、というスタイルには疑問を覚えます。「誰かがガマンしなくてはいけないプロダクトって、誰が幸せになるんだろう?」と思うんです。 

 

ー「誰もガマンしない」感覚。確かに、それならずっと使い続けられる気がします

アイデアを形にするからには、自分も毎日使いたいと思えるクオリティのものを作りたい。化粧品としてちゃんと楽しめつつ、毎日愛せるものを作って広めていきたいという思いが大前提にあります。

さらにこのプロダクトを通して、アップサイクルや脱プラスチックの取り組みを知ってもらい、「背景にこんな工夫があったのか」と地球が抱えている問題に触れてもらう…そんなきっかけになるアイテムになったら、とても嬉しいです。

 

ー窪田さんご自身は、いつ頃から地球環境問題へのアンテナを張っていらしたのですか?

環境や政治の事を真剣に学びたいと思ったのは、ここ数年のことです。昔からずっと問題意識を持っていた、というわけではないんですよ。

数年前アメリカに住んでいた時期があって、その経験は大きかったです。スーパーでの買い物はプラスチックの袋ではなく紙袋に入れてくれるし、並んでいる野菜もいっさいビニール包装されていない。そんな身近なところでも、脱プラスチックの動きがあるんです。 

 

ー身近な場所で、環境への取り組みが自然と行われているんですね。窪田さんご自身は、生活の中で意識していらっしゃることはありますか?

なるべくゴミが出ない暮らしをしたいと思っています。買い物をするとき「袋はいらないです」と断るような、小さいことから。

自分の半径数メートルで出来るようなことでいいと思います。完璧を目指すと疲れてしまうし、どこまでいっても完璧はないので、自分のできる範囲でできることから心がけていきたいな、と。

身の回りで使っているプラスチック製のものも、買い替えるタイミングでいくつか減らしました。

まな板をオリーブの木のカッティングボードに変えたり、洗濯ばさみやケトルもステンレス製のものにしたり。コーヒーメーカ―もマキネッタ(直火でつくるエスプレッソメーカー)に変えたんです。フィルターがいらないからラクで、スペースも取らずいい感じですよ。 

 

ー気づいて意識することで、変えていける部分は沢山あるのですね

そうなんです。気づいて変えていくという行動のひとつに、わたしたちが取り組んでいる「ボルネオの森林問題」があります。このアイテムの売り上げの一部は、ボルネオ保全トラスト・ジャパン[*]という団体に寄付しています。

エスプレッソボディショットにはパームオイル由来の原料を使用しているんですが、パームオイルの栽培背景には熱帯雨林の大規模伐採があり、それがボルネオ島の生態系に影響を与えている…そんな環境問題が潜んでいることを知らなかったんです。

この問題を知ったからには少しでも支援しなくてはという思いから、この寄付活動を始めました。SDGsの12番目の目標「つくる責任、つかう責任」を果たす事にもつながると思います。

このアイテムでボディケアを楽しみながら、自分の周りや地球の抱えるいろんな問題を知ってもらえるきっかけになれば、とても嬉しいです!

[*]東南アジアのマレー諸島に位置する、ボルネオ島の森林を保護する活動をしている認定NPO法人。ボルネオ島の熱帯雨林を保護し、生態系を守る社会の在り方を考え伝えていくことを使命に活動している。

 

PROFILE | HUG BROWNE


「楽しくハッピーに美容と環境配慮の両立をさせる」がテーマのボデイケアブランド HUG BROWNE(ハグブラウン)。

エスプレッソボディショットは、約2年の歳月をかけ製品化に成功。使用済みのエスプレッソの出がらしを利用し、容器、包装に徹底して脱プラスチックを実現するなど、環境問題にもアプローチしたアイテムです。2019年秋、オンラインでの販売をスタートし、数々のメディアやポップアップショップで注目を集めています。  

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