変わるデザイン、変わらない美味しさへのこだわり《ちきり清水商店》

シンプルなデザインで手土産にもちょうどいい「めしシリーズ」、カジュアルなお祝いにぴったりの「鯛もなか茶漬け&味噌汁セット」。

その可愛らしいパッケージデザインは、これまでのかつお節やお出汁のイメージとは少し違った趣です。

創業240年の老舗 ちきり清水商店に新しい風を吹かせた、代表の清水 喜市郎(しみず きいちろう)さんに、変わらない製法・守り抜いている美味しさへのこだわりについて伺いました。

ー3種の専用醤油・本枯節・鰹そぼろがセットになった「めしシリーズ」誕生のきっかけは?

箱入りの「たまごかけごはん専用醤油」が婚礼ギフトとして販売されているのを見つけたことから発想を得ました。

醤油に我々のかつお節製品を添えたらもっと美味しいだろうとパッケージしたものが、めしシリーズの第1弾「たまごめし」でした。

たまごめしの発売後に新商品を検討する中で「昔、父がマヨネーズにご飯をかけて食べていたな」とか「○○かけごはんといえば、バターかけごはんって美味しいよね」などが社内で話題に上がり、商品化を目指すことになりました。

3種それぞれ違う醤油の味は試作を重ねて相性を見極めたレシピですが、売れるか売れないかよりも「面白いからまずは世の中に出してみよう!」という感覚でした。

 

ー目を引く可愛らしいパッケージデザインにおいて、意識した点は?

もなか茶漬け&味噌汁は、インパクトある「鯛の姿」をつかうことで、お祝いギフトとしてわかりやすいよう設計しました。

「めしシリーズ」は、乾物をイメージさせないパッケージにすることを意識しています。かつお節やだしパックが入っている雰囲気を醸さないよう、パッと見て中身が何かわかるような表現はほぼしていません。

今の20~30代は、かつお節や出汁に昔ほどなじみのない世代だと思います。そんな方々にカジュアルギフトや婚礼ギフトとして選んでもらうにはどうすればいいか?というところが大切です。

「これかわいい!何が入っているんだろう?」というビジュアルにしています。美味しさに自信があっても、まず手に取ってもらわなければ口にする機会は当然ないですからね。

自社のかつお節・出汁の味・クオリティに関しては絶対の自信を持っていますが、ただ「美味しいから食べてみて!」と手渡すよりも、素敵なパッケージのほうが驚きと喜びがありますよね。パッケージがオシャレなだけでなく、中身はしっかりおいしい!というギャップやサプライズ感も大切にしています。

婚礼の縁起物・引き出物は、時代とともに変化しています。

今の60~70代の方々の頃は、縁起物と言えば紅白の重厚な箱に入った引き出物が定番でした。私の父が会長を務めた頃は、風呂敷包みのギフトに人気が集まります。

そして私が入社した2008年頃からは、時代にあわせた新しいパッケージとして「めしシリーズ」「鯛もなか茶漬け」のようなシンプルで手軽な箱入りのものを提案しています。

 

ー大胆なイメージチェンジを後押しした、自信やこだわりについても教えてください

かつお節には「荒節」と「本枯節」という2種類があるんですが、世の中で売られているものの多くは荒節で、「本枯節」を使っているメーカーは少ないんです。本枯節はコストがかかるし値段も高いので。

本枯節というのは半年間カビ付けと乾燥を重ねて、手間暇をかけて出来るもの。食感を意識した薄い削りも、他社さんには真似できない当社ならではだと思っています。

「化学調味料無添加」をうたっていても、実はうま味調味料で味を調えているだしパック商品は結構あるんですが、我々は素材の力だけで美味しいものを作ることにこだわっています。

このこだわりが「今までのものと風味が違う」とか「家の中にただよう出汁の香りが幸せだった」とか、そういったお客様の声に現れていると思います。

和食に欠かせないお味噌汁のベースになる出汁は、流行りすたりで変わっていくものではないと考えています。

実際、長くご愛用頂いているお客様も多く、「これがないと我が家の味が決まらない」「嫁いだ娘も使っています」などのお声をいただきます。「次の世代へつなげていける味」を作り続けていけることはとても幸せなことです。

「ちきり」という屋号には、「つなぐ」「つながる」という意味があります。

祖父の代に開発されて、40年以上販売している定番商品のだしパックがあるんですが、私の母は昔からこれを使ってお味噌汁を作っていました。今では自然と妻が使うようになっていて、それを子どもが飲んでいる…こういうところに「つながり」を深く感じます。

 

ーちきり清水商店が、たくさんの家庭の味を守っているのですね

そうですね。家庭の味と言えば、便利な個包装の「かつお節パック」が誕生する前はそれぞれの家庭で本枯節のかたまりを削り器で削って、そのままごはんにかけたりおひたしにかけたり出汁をとったりしていました。

今、その文化をもう一度、現代の家庭の中に戻すのも面白いのではと思っています。

現代の忙しい家庭では「時短」が重視されがちですが、言い換えれば、せわしない暮らしを余儀なくされているとも言えます。

そんな生活の中に時短と真逆の概念、「手間をかけて食べる」ということは価値あることなのではと思います。だしパックのように簡単に使えるものもあれば、削りたてのかつお節でひと手間かけて澄んだ出汁を取る、というスタイルもいいんじゃないかと。

本枯節をかんなで削って食べるという体験自体にも、趣があると思うんです。手仕事と広がる香りで、気持ちも穏やかになりそうですよね。ゆとりある生活、スローライフという概念にもつながる体験なのではないでしょうか。

 

めしシリーズ|白ごはんをごちそうにする、極上かつお節&専用醤油セット

 

鯛もなか茶漬け&味噌汁セット | ぷっくり鯛に包んだ、めでタイおいしい一杯

時代に合わせて変えてきたデザインと、ずっと変わらないこだわりをもって丁寧につくられた、ちきり清水商店のかつお節・お出汁。実際にぜひ食べて、使って、香りを感じて頂きたいです。

自分の手で本節を削って食べる体験もとても気になります。ありがとうございました!

 

PROFILE | ちきり清水商店


ちきり清水商店は、天明2年(1782年)の創業以来、駿河湾を望む焼津の地で、伝統の手法を守りながら、鰹節の味と品質を追求してきました。
時代とともに人々の趣向が変化する中、お客様の多様なニーズに応えながら、鰹節が持つ本来の風味や旨みにこだわった商品をバラエティ豊かにご提供しています。

 

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