サステナブルはもう当たり前。すべては和紙糸の魅力を伝えるために《KAMITO》

 

天然素材である和紙。実は「吸水性」「調温調湿性」「抗菌防臭性」など優れた機能性があることをご存じでしょうか。

日本の伝統的な職人技術品である和紙をアップデートし、日常使いできるアイテムを展開する「KAMITO」にて企画・生産・営業を担うチームのメンバーに、ブランド立ち上げの経緯や和紙糸の魅力をお聞きしました。

―和紙糸を使ったプロダクトブランド「KAMITO」、立ち上げのきっかけは?

KAMITOは2020年8月末に、当社の新事業としてローンチしたブランドです。

KAMITOのアイデンティティでもある和紙という素材に着目した最大のきっかけは、和紙の研究を20年以上続けていらっしゃる「ITOI生活文化研究所」の糸井徹さんとの出会いでした。

糸井さんのお話を通じて、和紙の原料は環境負荷が少ないということを知りました。

和紙の原料は、森を育てるために計画的に伐採される針葉樹の間伐材や製材廃材、人の手が介入せずに自生しているアバカと呼ばれる植物。これらを有効活用することは環境保全にもつながります。

さらに、私たち自身が体感した「優れた機能性」にもとても惹かれたこともあり、この素材を使っていきたいとKAMITOがスタートしました。

ブランド名は、「紙糸(かみいと)」から名付けています。

―素材との出会いが、始まりだったんですね

和紙の糸自体は、実は昔から存在していました。しかし、価格が高かったり、汎用性が低かったりして、私たちの生活になかなか定着していませんでした。

KAMITOでは日用品として使えるものをつくりたかったので、伸縮性の必要なカットソーやソックスがつくれる「伸度のある和紙糸(ITOI生活文化研究所開発)」はうってつけの素材でした。

―「伸度のある和紙糸」の特徴とは?

この和紙糸はコア芯(ポリエステルやテンセルなどの伸度のある糸)にスリットした和紙を特許取得の技術にてカバーリング(画像参照)していくことによって伸度がでる糸構造になっています。

KAMITOのブランドロゴも、この特徴的な和紙糸の製法をイメージしたものなんですよ。

KAMITOの糸は肌に当たる部分のほぼ100%が和紙なので、そこが最大の特徴だと思います。

―肌に直接触れる部分が和紙だとどのようなメリットが?

和紙は調温調湿効果や吸水性が非常に高く、抗菌防臭性にも優れています。特に、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸といった「汗臭」の原因となる成分に有効で、においを抑制してくれる効果もあります。

このような機能性に富んだ天然素材である和紙が直接肌に触れることで、効果をよりよく感じていただけると思います。

KAMITOでは、ソックスだけでなくほとんどの製品で和紙糸がほぼ100%肌面に来るように設計しています。

―ソックスは本当にさらっと蒸れず、心地よかったです!

ありがとうございます!

和紙糸の機能性についてお見せしたいものがありまして…。

「分水嶺トレイル」をご存知ですか?120km縦走するとてもタフなレースなのですが、和紙ソックスを履いている選手が沢山います。過酷な状況で使用する大切な装備品として、和紙ソックスは選ばれてきました。他の素材のソックスを履いた選手と和紙ソックスを履いた選手の完走後の足の様子がこちらです。

●画像はこちらをクリック。(若干、表示注意です)

 

他の素材のソックスを履いた足(左)は入浴後のようにふやけていますが、和紙ソックスを履いた足(右)は熱を放出しながら長時間走れるということを示しています。

・調温調湿性が高い
・吸水性が高い
・風を受ける走行時には優れた速乾性
・熱伝導率が非常に低い
・摩擦が生じにくい

という和紙ソックスの特徴のすべてがこの結果に出ていると思います。

このようなレースに出られる方の半分以上が和紙ソックスを着用していたという記録もあるほど、アスリートランナーの方の間ではすでに人気の高いものなんです。

―ハードな環境を走るランナーが認めているんですね

そうなんです。ただ価格が高いこともあり認知度はまだまだ低いです。

KAMITOのソックスは、和紙の効果を感じていただくために内側に和紙糸、表側にポリエステルなどのFTYと呼ばれる伸びる素材を使っていて、よく見ると色が少し違います。

一般的には、見た目の観点から内側にFTYを使うことが多いのですが、それだとにおいを吸収しすぎてこもってしまう。

KAMITOでは内側に和紙を使うことで、汗を吸い、ニオイの原因菌は分解して抑制してくれるものになっています。

―KAMITOが製品を通じて伝えたいことは?

まだ認知度が低い「和紙糸」の素材とその良さを、多くの方々に知ってもらいたい・使ってもらいたいという想いが強くあります。

和紙素材は、実は他素材に比べ原価が高いのですが、まずは和紙素材をより多くの方に知っていただくためにも、手に取っていただきやすい価格設定にしています。

KAMITOでは、紙になる前のパルプを輸入して、以降の全工程を日本国内で行っています。

製紙工場・紙をスリットして糸にする工場・染める工場・編みたてる工場、とかなり長い工程のため、どうしても原価が高くなってしまいます。

でもそれをやらないと、いいものはつくれない。

価格を抑えるために海外生産という方法もありますが、「日本のものづくりや技術の継承が途絶えないように」という想いもあって、日本での生産にこだわることにも意味があると思っています。

―「和紙の良さを伝えること」がブランドの使命なのですね

 「和紙の良さを伝えていく」ためのブランドとして、「サステナブルブランド」とあまり言いたくないという気持ちもあります。

環境に配慮した製品づくりは今や当然のことであるという想いでブランディングしています。あえて大々的に謳わずともみなさんに伝わってくれることが私たちの願いです。

最後に、今後の展望やプランがあればお聞かせください

これまでアパレル製品をつくってきましたが、どうしてもトレンドを追いかけなければいけないという現実があります。でもそれって「サステナブル」とは反対の位置にいると感じます。

売れ残ったらセール品になって最後は廃棄されるようなものではなく、これからも定番品をつくり続けていきたい。

KAMITOはアパレルに限らない、ライフスタイルブランドにしていきたいという展望があり、今後はこれまでよりも日用品に寄せた商品展開を考えています。

機能的で環境にも優しい和紙が広まり、たくさんの人にこの魅力を知ってもらえたら嬉しいです!

 

和紙が持つ素晴らしい魅力の数々を伝えていこうとする「KAMITO」の想い、製品づくりへのこだわりをたっぷりと聞かせていただきました。

実際に肌で触れて、その良さをぜひ体感してみたいですね。

今後はブランケットやクッションカバー、スリッパなど、ライフスタイルアイテムをさらに充実させていくそう。生活に取り入れてみたくなる魅力的なラインナップに、今後もますます期待しています!

 

PROFILE | KAMITO 

日本古来の製法に基づき製造された和紙を主原料とする素材・製品のブランド。
天然繊維でありながら快適な機能性を兼ね備えた和紙糸で、アパレルや生活雑貨を製造する。シンプルで洗練されたデザインの中に、和紙特有の機能性を最大限感じられるアイテムを展開。今後はライフスタイルアイテムにも力を入れていく。

 

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