弱音を吐けるのが理想。自身の体験から届けたい想い《Relation Kaori Labo》

RelationKaoriLaboりらしおんかおりらぼのアロマスプレーwordswordsワーズワーズがソファに置かれている様子

福井県敦賀(つるが)市で、生育中に間引かれてしまう摘果(てきか)みかんの果皮などを用いたアロマスプレーやハーブティーを開発する、Relation Kaori Labo(りらしおんかおりらぼ)の勝田 人世さん。

印象的な商品名には、ご自身がアロマに救われた経験や、生まれ育った敦賀の風景への想いが込められています。詳しくお話を伺いました。

ーもともとはアロマテラピーを学んでいた勝田さんが、ご自身で商品を開発したきっかけは?

東浦みかんが木になっている様子

アロマテラピーの勉強をつづける中で、生まれ育った福井県敦賀市の東浦(ひがしうら)地区で栽培される、東浦みかんの精油を使って「敦賀をイメージした香りを作りたい」という想いを抱いていました。

そうした想いやアイデアを、市が主催する、敦賀のPRのための新商品開発事業へ応募したところ採択され、商品化にチャレンジできることになりました。

ー東浦みかんの精油を使った商品づくりは、実際にはどのような工程なのでしょうか?

みかん狩りのお客様が残していった完熟みかんの果皮や、生育中に間引かれる摘果みかんの果皮を、フードプロセッサーで砕き、鍋で蒸して、蒸留し、丁寧に精油を抽出しています。

ちなみに、摘果みかんというのは、すだちやカボスのようにまだ青いみかんなのですが、この青々とした皮をむくのは実はとても大変なんです!とっても固くて辛いので、一人で作業をしていると4個目くらいで心が折れそうに…気分転換にスマホを見たりしながら、なんとか乗り越えたりと、苦労しました(笑)

東浦みかんの摘果みかんの皮むきの様子

ー大変な作業ですね!ところで、アロマスプレーのブランド名 words words(ワーズワーズ)にはどんな由来や想いがあるのでしょうか?

wordswordsワーズワーズのロゴ

「うきうき」「のびのび」「ぴりぴり」といった沸き起こる感情や気分を表現する言葉を香りの名前として用いているのですが、それらがオノマトペ[*]かつ繰り返し言葉であるというところに着目して、そうであるならば、ブランド名も繰り返し言葉にしよう、というアイデアから生まれました。

また、デザイナーさんがつくってくださったロゴデザインを初めて目にした時に、「まるで本を開いているみたい!」と思ったんですが、本を選ぶときも、香りを選ぶときも、どちらも自分自身と向き合う時間ですよね。本屋さんでパラパラと色々な本を手に取りながら、気分に合わせて本を選ぶように、香りも、「あ、なんだかこれいいな」という直感を大切にしてもらえたら、という想いもあります。

[*]状態や感情、あるいは動物の鳴き声や物音を音(おん)で象徴的に表した語。世界の言語の中でも日本語はオノマトペが多く用いられる言語といわれている。

ー本を選ぶように香りを選ぶとは素敵です!ハーブティー tsuruka(つるか)の4種にそれぞれ込めた想いも教えてください

まず「気比の兆し(けひのきざし)」は、うっそうと茂った森に囲まれ、重要文化財にも指定されている気比神宮から着想しています。

うっそうとした気比の杜

地元の人たちには「けいさん」と呼ばれ親しまれていて、お参りに行く時は、お願い事をするというよりも、自分の決心を伝えて背中を押してもらうような場所なんです。そんな風に、背中を押してくれるようなイメージを香りにしたい、との想いがありました。

ハーブティー敦香つるかの気比の兆しのモデルとなった氣比神宮の鳥居

また、「花換の頬染(はなかえのほおぞめ)」は、桜の名所として親しまれている金ヶ崎宮(かねがさきぐう)の「花換まつり」での光景をイメージしています。

花換まつり

想い合う者同士が桜の小枝を交換し合ってロマンスが生まれるとされているお祭りなんですよ。想い人を見つめてきゅんとするような、恋する切なさを表現したいと思いました。

敦賀市の花換えまつりで想い合う者同士が桜の小枝を交換し合う様子

そして、「水島の渚(みずしまのなぎさ)」は、敦賀湾には小さな無人島があるんですが、そこは「北陸のハワイ」とも呼ばれる美しい島なんです。夏のキラキラした海の光や、元気いっぱいのパワーあふれる情景をイメージして香りにしました。

ハーブティー敦香つるかの水島の渚のモデルとなった北陸のハワイといわれる水島の美しい海

最後に、「水面の灯り(みなものあかり)」は、第二次世界大戦中のエピソードに由来しています。当時、ナチスによる迫害を受けていたユダヤからの移民たちが敦賀港へ上陸して「ここ(敦賀)は天国だ!」と歓喜した、という逸話が残っています。

昭和8~9年春国際港敦賀築港の全景

[ 画像:昭和8~9年春国際港敦賀築港の全景(敦賀市立博物館提供)]

母国から逃れ、この先どうなるのかもわからず不安な日々を過ごした移民たちは、敦賀の陸の灯りを見つけてホッとし、陸地に上がってようやくゆっくり眠れたのではないか、というわたしの想像から、私自身が眠りにつく前によく使っていた精油のブレンドに近いハーブティーに、このように名づけました。

ハーブティー敦香つるかの水面の灯りのモデルとなった金ヶ崎緑地の灯り

ー勝田さんご自身が慈しむ風景やイメージを香りで表現されているのですね。最後に、アロマテラピーへの想いやユーザーへのメッセージをお願いします

RelationKaoriLaboりらしおんかおりらぼのハーブティー敦香tsurukaつるかとティーポット

私自身、過去に人間関係のストレスから体調を崩して、緊急手術にまで及んだ経験があるんですが、術後にアロマの全身トリートメントを受けて、これまでの辛さから解き放たれたような気持ちになった経験がありました。これがアロマテラピーとの出会いでした。

そんな自分自身の経験から、誰にも悩みを言えずに一人で抱え込み、体のSOSにも気づかずパンクしてしまうような人を、香りを通じて減らしたい、という想いがあります。弱音を吐ける、誰かを頼れる、何かを使って解消できる、といったことが自然にできる姿が理想ですね。

また、この事業を始めた当初は「女性を支援したい」という想いがありましたが、今は支援をする相手に性別は関係ないと思っています。アロマテラピーやハーブティーは、いわゆる女性らしい甘さを前面に押し出したパッケージが多い中、words wordsやtsurukaはユニセックスなデザインにしたくて、その想いをデザイナーさんに伝えました。性別関係なく手に取っていただたら嬉しいです!

 

words words や tsurukaから、そっと寄り添ってくれるような優しさを感じるのは、辛い経験を乗り越えた勝田さんの想いが込められているからこそなのだと、お話をお伺いして思います。弱音を吐きたいとき、何かに頼りたいとき、ぜひ手にとってみてください。

 

PROFILE | Relation Kaori Labo

RelationKaoriLaboりらしおんかおりらぼのロゴ

福井県敦賀市を基盤に、アロマテラピーやハーブが暮らしの中でもっと身近になるようにという想いから、アロマ商品の企画販売、講師、個人や企業向けの香りの提案など、香りにまつわるトータルプロデュースを行っている。日々の生活に寄り添い、張り詰めた心と身体を緩めてくれる、心地よくありのままの自分でいられるようなアイテムが揃ったブランド。